カテゴリー:中国ビジネス最新情報ブログ
2021/08/25
小紅書(RED)のクチコミマーケティングの新たな動きが注目されています。
というのもこれまで主流だったタオバオへのリンクが削除され、
リンクで商品ページにジャンプするというこれまでの常識とは
未来スタイルのマーケティングがスタートしているということなのです。
8月2日、小紅書(RED)が、
アプリの「ノート機能の一部だったタオバオリンク機能を終了する」
というニュースが発表されました。
マーケティング業界にとって、非常にショッキングなニュースでもあり、
激しいリアクションがあちこちで見られました。
小紅書(RED)の今回の調整によって、
各ブランド、クリエーターなど多くの人が影響を受けています。
小紅書(RED)は主に二つの調整を行いました。
1つは、种草笔记(第三者に商品を紹介する機能)の中の
タオバオへのリンクを廃止したことです。
しかしライブ配信時のタオバオへのリンクは依然として有効です。
2つめの調整は、7月26日から広告に類する書き込みを
厳しく取り締まるようになったことです。
一、どうして、タオバオへのリンクを廃止したのか?
2013年以来、小紅書(RED)は海外商品を好む消費者の情報交換の場となっていました。2020年には、小紅書(RED)の月別アクティブユーザー数は、
1億人を超えました。
そして生活に密着したプラットフォームとして、
消費意欲を刺激する存在として確立されてきました。
プラットフォームに参加しているブランド数は8万を超えています。
特に若い世代は小紅書(RED)で、自分の関心のある商品を探すのが習慣
になっています。
小紅書(RED)は人気のプラットフォームになり、広告による収入を得るのと同時に、
ECの新たな形式を探るためにも、果敢な挑戦を続けています。
小紅書(RED)では、トップページに「ショッピングモール」のモジュールを組み入れ、
ユーザーの注意を引きつけ、プラットフォームの中で取引が完結するようにし、
ECを強化しています。
若い世代は、小紅書(RED)が思い描いた取引とは裏腹に、
取引のプロセスはプラットフォームを離れて行う傾向があります。
それで、若い世代が取引のプロセスを小紅書(RED)で完結するように、
一年前に小紅書(RED)は「タオバオリンク」を貼れるようにしました。
これによって、小紅書(RED)の記事から
直接タオバオプラットフォームにジャンプし買い物ができるようになりました。
しかしながら、すべてのブロガーがタオバオリンクを貼れるわけではありませんでした。
なぜなら、小紅書(RED)のブロガーへの要求は、「5,000人を超えるファン数があること。いいね!の評価が200個以上ついている記事が10記事以上あること。」だったので、
この要求は多くのブロガーにとって達成困難なものでした。
後に条件であるファンの数は後に5,000人から1,000人に減らされました。
では、1年間の試行錯誤を経て、
なぜ小紅書(RED)は結局タオバオへのリンクを廃止にしたのでしょうか?
一、小紅書(RED)は自身のプラットフォームへの影響を鑑みて、
取引を中止にしました。
インターネットの業界内ではどのプラットフォームも自身のプラットフォーム内で
取引が完結するよう望んでいます。
小紅書(RED)がタオバオへのリンクを廃止したのを筆頭に、
2020年8月には、抖音(TikTok)がサードパーティー企業の販売する商品を
ライブ配信でリンクを貼る好意を禁止しました。
この禁止事項ができたことにより、ライブ配信で商品を販売する店舗は、
抖音(TikTok)ミニショップを利用し、
ライブ配信→商品販売が同じプラットフォームで完結できるようになり、
ショートビデオ配信+ECを同プラットフォームで実現できるようになりました。
二、タオバオへのリンクがユーザーの楽しみを阻害するという影響がある
という観察。
小紅書(RED)のブロガーによると、多くの消費者が小紅書(RED)に持つイメージは、
記事を書く目的は商品販売のためであるという印象をもっています。
記事の中にタオバオへのリンクが貼ってあるとさらにそう感じるそうです。
広告主はブロガーのコンテンツ転換率の良さを把握しており、
ROI(費用対効果)データを生かしたマーケティングをしています。
そうではあっても、
多くのブロガーは自身の記事にタオバオのリンクを貼りたいとは思っていません。
なぜなら消費者に与える印象は、小紅書(RED)の書き込みの中に、
タオバオリンクがあると、この書き込みは広告目的のものだという意識が働き、
閲覧意欲が減少します。
三、小紅書(RED)は、マイリスト商品販売という新しい販売形式を始めました。
タオバオへのリンクを貼ることがECの利潤をもたらさないということが明らかになったので、現在、「好品味官选拔赛(RED公式ハイセンス商品トーナメント)」キャンペーンを
開催しており、すでに各方面のトップクリエーターへ参加オファーが送られています。
この新たな機能の特色は、クリエーターが書き込みの中に、
「マイリスト」を設定できることです。
クリエーターは、小紅書(RED)福利社の「おすすめ商品リスト」から商品を選択して
「マイリスト」に追加、あるいは、
自分の商品を小紅書(RED)に販売商品として出品することもできます。
二、小紅書(RED)は新ブランド商品のマーケティング新境地に
先に述べた分析結果にあるように小紅書(RED)プラットフォーム内では
これまでのようにタオバオへリンクでジャンプしてショッピングをするのでなく、
自身のプラットフォーム内でコンテンツマーケットを開設し、
購入までを完結するという新しい試みにすばやく切り替えました。
魅力的なブランド商品は、小紅書(RED)の注目のコンテンツです。
直接販売に結びつくというよりは、ブランドの紹介として注目が高いようです。
「小紅書(RED)で周知した新ブランド第一人者」コスメブランドの
「完美日记(Perfect Diary)」です。
昨年11月完美日记(Perfect Diary)の親会社逸仙ECは、
正式にニューヨーク証券取引に上場しました。
2020年9月30日までの間に、提携しているインフルエンサーは15,000名近く、
中でも800人は、ファン数が100万人を超えているインフルエンサーです。
インフルエンサーとして知名度を得ていくプロセスの中で、
読者の心に響く交流の場である小紅書(RED)は重要な役割を担っています。
データの示すところによると、独身の日(ダブル11)キャンペーン期間中、
完美日记(Perfect Diary)に投稿された独身の日(ダブル11)キャンペーンに関連した記事は4,621記事あり、昨年比で+47.97%だったそうです。
これからわかるとおり、
小紅書(RED)はマーケティングにとって不可欠な存在であることが明らかです。
他にもアジアンメイクブランドの花西子、燕の巣のブランド小仙炖など
小紅書(RED)をマーケティングの突破口として
ターゲット顧客に接点をもつようにしてきました。
新ブランドにとっては小紅書(RED)のプラットフォームで、
ターゲット顧客の心に訴えるPRを行うことができますし、
一方の小紅書(RED)にとっては、
充実したさまざまなコンテンツを次々と提供することができます。
微播易が発表した《2020年度KOLインフルエンサーのSNSメディア投稿に関する
分析レポート》によると、2020年に広告主がSNSプラットフォームに投資した額の
TOP5の内訳は新浪微博(ウェイボー)、小紅書(RED)、
微信(WeChat)公式アカウント、抖音(TikTok)、B站でした。
小紅書(RED)はTOP5にランクインしており、広告主の投資額も119%増加しています。
マーケットツールのアップグレードによって、
小紅書(RED)のブランドに対する規範が次々と変化しているというのが、今の実情です。
今年1月には小紅書(RED)「ブランド提携プラットフォーム」は
販売商品に関して最適化を図るようになり、
名称も「小紅書(RED)たんぽぽ」と改められました。
小紅書(RED)たんぽぽが目指すのは、ブランドとクリエーターのため
全プロセスにおいて提携サービスを提供することです。
提携前のサービスとして、プラットフォームは、
様々なオリジナリティあふれるブロガータグを提供しており、
ブランドが自社ブランドにぴったりのブロガーを
探し当てることができるようにサポートしています。
提携後には、注文のあった取引がプラットフォーム内で完結できるよう、
保障サービスも手厚く提供しています。
多方面からのデータにより、
自身の投資の改善点について理解できるようサポートしています。
小紅書(RED)への投稿が企業のプラットフォームと同期されるので、
記事の投稿が同時に広告の投稿を行うことにもなります。
三、小紅書(RED)マーケティングの進化形「プロフェッショナルアカウント」とは?
タオバオへのリンクを中止し「たんぽぽ」プラットフォームを開設した以外に、
小紅書(RED)は他にもアップグレードしたプラットフォーム項目を発表しています。
それは8月2日から正式に開始した
「アカウントとショップの一体化」を目指したシステムです。
簡単にいうならば、「 アカウントとショップの一体化」の一番の特徴は、
アカウントシステムの調整です。
将来的に小紅書(RED)のアカウントは、認証された情報により、
プロフェッショナルアカウントと
非プロフェッショナルアカウントに分けられることになります。
現時点で明らかにされている情報によると、
プロフェッショナルアカウントとして認証されるのは、
グルメ記事のブロガー、フィットネス記事のブロガーなど趣味の案内役ができる人です。
また、弁護士、医師、教師などプロの職業に就いている人も認証可能です。
プロフェッショナルに認証されるのは他に、コーヒーショップ、フルーツショップ、
民宿のオーナーなども申請を行うことができます。
このような変化を見ると、各ブランドは小紅書(RED)でマーケティングを行いたいと
思うのであれば、 「プロフェッショナルアカウント」を獲得することが
必須であることがわかります。
「プロフェッショナルアカウント」を持てば、ファンとの交流もしやすいですし、
プラットフォーム内にオンラインショップを持つことも可能です。
投稿記事からリンク、実店舗へリンクなどの便利な機能も利用できます。
小紅書(RED)プラットフォームEC責任者杰斯氏はこのように説明しています。
「わたしたちは、 小紅書(RED)プラットフォームを利用して、
誠実な情報共有、ユーザーとの交流を行いたいと願う全ての方に、
また、良い商品と良いサービスを提供したいと願う全ての個人と中小企業、またブランドが、優れたコンテンツを生み出す場所として、
長期的には取引を生み出す場所として小紅書(RED)を利用してほしいと願っています。」
小紅書(RED)の新ルールにより、プロフェッショナルアカウントでは、
ユーザーのニーズにより深く広く応えることができるというメリットがあります。
また、プロフェッショナルアカウントの適用範囲は、有名ブランドに限らず、
ファン数に関する要求もありません。
ですから、予算の限られた中小企業やブランドもプロフェッショナルアカウントを利用して、マーケティングを行うことができます。
さらに、規定の中に1ヶ月あたりの販売額が1万元(17万円)を下回るブランドは、
マージンを無料とされます。
1ヶ月あたりの販売額が1万元(17万円)を超える場合、販売額の5%のマージンが課されます。
四、まとめ
小紅書(RED)はこの1年間で、タオバオリンクを貼ることを試験的に行ってみたり、
後には、タオバオリンクを廃止したり、「たんぽぽ」を開設したり、
プロフェッショナルアカウントを開始したり、試行錯誤を重ねてきました。
この全ては、小紅書(RED)がコンテンツとビジネス化をいかにして
よりバランスの良いものとするかへの成長のプロセスです。
小紅書(RED)ユーザーが、小紅書(RED)コンテンツが完全に利潤追求の広告であり、
誠実なシェアはないと判断すれば、彼らはあっという間に
小紅書(RED)から離れていくことでしょう。
こういう状況はプラットフォームにしてみれば致命的な状況です。
ブランドの立場にしてみれば、小紅書(RED)を利用してマーケティングを行うというのは、単なるブログの投稿ではなく、ユーザーとのコミュケーションの場であり、
自社ブランドのサービスをPRする場でもあります。
小紅書(RED)プロフェッショナルアカウントは
これからのマーケティングに欠かせないものとなるのではないでしょうか?
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